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GL良性発作性頭位めまい症(BPPV)診療ガイドライン2023年版
ニュートピックス
・良性発作性頭位めまい症(BPPV:benign paroxysmal positional vertigo)の診療ガイドライン2009年版を改訂した2023年版が日本めまい平衡医学会より発表された.
治療のポイント
・めまいの診断では,回転性や浮動性といっためまいの性状より,むしろ発症様式や誘発因子を重要視する.
・急性めまいの頻度は末梢性めまいが多いが,緊急度の高い中枢性めまいを見逃してはいけない.
・激しいめまいには炭酸水素ナトリウムを静脈投与,悪心・嘔吐にはメトクロプラミドを投与するなど,症状に応じた薬物治療を行う.
◆病態と診断
A病態
・めまいの出現様式は急性,反復性,慢性の3つ,誘発因子としては,頭位変換や姿勢などがある.性状には回転性めまい(vertigo),浮動性めまい(dizziness),眼前暗黒感(presyncope)がある.
・BPPV:末梢性めまい疾患のなかでは最も多い疾患である.特定の頭位や頭位変換に伴いめまいが生じる.持続時間の短い(多くは1分以内)めまいで,回転性のことが多いが,動揺性のこともある.耳石器から剥離した耳石が半規管内に迷入,あるいはクプラに付着することにより生じる.
・前庭神経炎:頭位変換と関係ない突発性の回転性めまいが数日続き,その後,浮動性めまいが持続する.多くはウイルス感染による前庭神経の炎症により生じるとされており,上気道感染後に発症することが多い.
・脳幹・小脳の出血・梗塞:小脳や前庭神経核由来の障害により,浮動性めまいや回転性めまいが生じる.めまい単独のことは少なく,失調や運動麻痺,感覚障害を伴うことが多い.
・脳幹・小脳の一過性脳虚血発作(TIA:transient ischemic attack):椎骨脳底動脈領域の一過性血流障害により
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