診療支援
検査

成長ホルモン〔GH〕 血中成長ホルモン〔血中GH〕   108点(包)
serum growth hormone
加治 秀介
(兵庫県立大学名誉教授)

基準値

・目安として男性0.17ng/mL以下,女性0.28~1.64ng/mL

・GH分泌刺激試験後の頂値が6ng/mL超(ただし成人では3ng/mL超)

・75g糖負荷試験(75g OGTT)によるGH分泌抑制試験後の底値が0.4ng/mL未満


測定法 RIA,EIA,FIA(リコンビナントヒトGHを標準品として測定し,従来の測定法による結果は約0.6倍に補正する)


検体量 血清0.5mL


日数 数時間~5日間


目的 GH分泌異常症の診断と評価


Decision Level

●低値

[高頻度]GH分泌不全性低身長症,成人GH分泌不全症 [可能性]GH分泌不全性低身長症の一部ではあるがGH1,GHRH受容体,Pit-1,Prop-1,HESX1,LHX3,LHX4異常症など遺伝子異常による先天的なGH単独欠損症または複合型下垂体機能低下症,さらに後天的な腫瘍随伴症候群で発症する抗Pit-1下垂体炎でもGH,PRL,TSHの複合型下垂体機能低下症がみられる [対策]血中GH基礎値だけで診断に至ることは少なく,確定診断にはインスリン負荷(低血糖)試験,アルギニン負荷試験などのGH分泌刺激試験を行う

●高値

[高頻度]先端巨大症 [可能性]Laron(ラロン)症候群,肝障害,低栄養 [対策]血中GH基礎値だけで診断に至ることは少なく,確定診断には75g糖負荷試験(75g OGTT)を行う.血中GHの平均分泌量を反映する尿中GHや血中IGF-Ⅰ値,IGFBP-3値を参考にする


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 GHは下垂体GH産生細胞から脈動的に分泌され,主に小児では成長,成人では代謝への役割を担う.食事など栄養因子,ストレス,睡眠などの中枢神経系の影響を受け,視床下部ホルモンのGHRHにより促進的に,ソマトスタチンにより抑制的に調節される.炎症,腫瘍などによる視床下部ないしその上位の中枢

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?