診療支援
検査

成長ホルモン〔GH〕 アルギニン負荷試験   1,200点(包)
arginine loading test
加治 秀介
(兵庫県立大学名誉教授)

基準値 GHの頂値6ng/mL以上,成人では3ng/mL以上(リコンビナントヒトGHを標準品として測定)


測定法 アルギニン(0.5g/kgもしくは5mL/kg)を30分間かけて点滴静注し,静注前(0分),静注開始後30,60,90,120分後にGHを測定する(RIA,IRMA,EIA,FIA法)


検体量 GH測定用に各血清0.5mL


日数 数時間~5日


目的 GH分泌不全症の診断と評価


Decision Level

●頂値3~6ng/mL(軽度減少)(リコンビナントヒトGHを標準品として測定)

[高頻度]中等症GH分泌不全性低身長症 [対策]「インスリン負荷(低血糖)試験」の項参照

●頂値1.8~3ng/mL以下(中等度減少)(リコンビナントヒトGHを標準品として測定)

[高頻度]中等度成人GH分泌不全症,重症GH分泌不全性低身長症 [対策]「インスリン負荷(低血糖)試験」の項参照

●GH頂値1.8ng/mL以下(高度減少)(リコンビナントヒトGHを標準品として測定)

[高頻度]重症成人GH分泌不全症,重症GH分泌不全性低身長症 [対策]「インスリン負荷(低血糖)試験」の項参照


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 アルギニンの作用機序に関しては不明な点が多いが,視床下部に働いてソマトスタチンの分泌を抑制して下垂体からのGH分泌を促進すると考えられている.GH分泌不全性低身長症および成人GH分泌不全症においてGHの分泌予備能を調べるために用いられることが多い.特に重症成人GH分泌不全症,もしくは汎下垂体機能低下症の診断には,まずインスリン負荷試験や成長ホルモン放出ペプチド-2(GHRP-2)負荷試験により,GH分泌予備能を調べる.


[感度・特異度]

 GH分泌不全症の診断において,アルギニン負荷試験単独の場合,感度・特異度95%であるには各々GH頂値<1.5ng/mL,<1.4ng/mLとされる

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