基準値 GH,プロラクチン(PRL)とも最低値が前値の1/2以下をもって抑制反応ありとする
測定法 ブロモクリプチン2.5mg(1錠)を経口投与し,投与前,2,4,6時間後に採血,さらに8,12,24時間後に採血すると薬剤の効果持続時間を判定できる.先端巨大症ではGHとPRLを,また高PRL血症ではPRLのみを測定する(RIA,EIA,FIA法)
検体量 GHとPRL測定用に各血清1mL,どちらか一方の測定には各血清0.5mL
日数 数時間~5日
目的 下垂体腺腫からのGH,PRL分泌抑制の評価
Decision Level
先端巨大症ではGH,プロラクチノーマではPRLが前値の1/2以下に低下すれば反応ありとする.
健常者ではGHは増加し,PRLは低下する.
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ブロモクリプチンは麦角アルカロイドで作用時間の長い強力なドーパミンD2受容体の作動薬である.したがって,L-ドーパ試験と同様,健常者ではGHの増加,PRLの抑制が起こり,GHの増加は視床下部GHRHを介して,PRLの低下は下垂体での直接作用と考えられる.先端巨大症患者では奇異反応の1つとしてGHは低下し,GH産生腺腫からのPRL分泌も抑制される.また高PRL血症の患者では原因のいかんにかかわらずPRLを低下させる.したがって,高PRL血症の原因検索ではなく,カベルゴリンまたはブロモクリプチン治療を予定している場合のPRL分泌抑制の程度をみるための試験として行われることが多い.
[関連する検査]
先端巨大症における奇異反応をみる他の検査には,「TRH負荷試験」→,「LHRH負荷試験」→などがある.
判読
①先端巨大症,高PRL血症の患者ではこの検査結果をもとにして,カベルゴリンまたはブロモクリプチンの投与量と投与回数の目安とする.②プロラクチノーマの患者ではカベルゴリンまたはブロモクリプチンによるPR
関連リンク
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- 臨床検査データブック 2023-2024/LHRH負荷試験(黄体形成ホルモン放出ホルモン負荷試験) [保] 1,600点(包)
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- 臨床検査データブック 2023-2024/成長ホルモン〔GH〕 L-ドーパ負荷試験 [保] 1,200点(包)
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- 臨床検査データブック 2023-2024/プロラクチン〔PRL〕 [小][保] 98点
- 臨床検査データブック 2023-2024/甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン負荷試験〔TRH負荷試験〕 [保] 1,200点(包)
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