基準値 EIA法による年齢別・性別基準値を表80図に示す(リコンビナントヒトGHを標準品として測定する場合各値は60%となる)
測定法 EIA(CLEIA)
検体量 24時間蓄尿もしくは早朝第一尿の5mLを専用容器に入れて提出.早朝第一尿を提出する場合は就寝後の排尿がないことを確認
日数 数時間~6日
目的 ①乳児期を除く小児期のGH分泌不全症の評価,②先端巨大症および下垂体性巨人症の診断
Decision Level
●低値(基準値以下)
[高頻度]GH分泌不全性低身長症(GHD),成人GH分泌不全症 [対策]複数のGH分泌刺激試験を行い,GH分泌反応の頂値で診断を確定する
●高値(基準値以上)
[高頻度]先端巨大症 [可能性]GH不応症(Laron症候群を含む) [対策]先端巨大症は75g経口糖負荷による血中GHの抑制不良により診断する.GH不応症では外因性GH投与により,IGF-Ⅰの反応不良を証明する(検査用GHは保険適用外)
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
24時間または夜間睡眠時の生理的GH分泌を評価するのに用いられる.
[感度・特異度]
成人GHDの診断が,尿中GH値と血中IGF-ⅠSDSを組み合わせることで,96%の感度で検出可能とする報告がみられる.
[関連する検査]
血中IGF-Ⅰや血中IGFBP-3測定と同じ意義があるが,IGF-ⅠやIGFBP-3がGHの受容体以降の活性を反映するのに対し,尿中GH測定はGHそのものの分泌を表す.
[特定背景のある患者]
蛋白尿を示す例では高値となり,特に尿中アルブミン量と正の相関を示す.したがって,起立性蛋白尿を含む蛋白尿もしくは腎機能異常を示す例ではGH分泌を反映しないので注意.日差変動があるため2~3日間測定を繰り返す.
判読
①IGF-ⅠやIGFBP-3と異なり,肝などでの蛋白合成の低下の影響を受けないが,腎から少量漏出するGHを測定して
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