基準値 IGF-Ⅰは成長ホルモン(GH)の分泌量を反映して,思春期を中心に年齢による変動がみられるので患者の年齢・性別によって基準範囲が異なる.表81図を参考とされたい
測定法
・抽出法,ビーズ固定法
・血中では大部分のIGF-ⅠはIGF結合蛋白(現在少なくとも10種類知られているが特にIGFBP-3が重要)およびacid labile subunit(ALS)と結合し,3量体として存在している.この蛋白と結合することによってIGF-Ⅰの分解が防止され,一種の貯蔵庫として作用していると思われるが,詳細な生理学的意義は不明〔「IGFBP-3」の項参照→〕
・IGF-Ⅰの測定には測定の前処置としてエタノールなどで抽出操作を加える抽出法と抽出操作を行わない非抽出法があるが,感度や特異度の点で前者が優れており,現在では抽出法が一般的.測定はRIA固相法(IRMA)
検体量 血清0.3mL
日数 3~7日
目的 GH分泌異常症の補助診断と治療効果の評価
Decision Level
●増加(基準値以上)
[高頻度]先端巨大症および下垂体性巨人症 [対策]先端巨大症および下垂体性巨人症の診断は,①IGF-Ⅰ高値で示されるようなGHの過剰分泌や奇異反応,②特徴的な身体所見,③MRI画像による下垂体腺腫の証明など多角的に進める.手術や下垂体卒中などで腺腫がなくなり,GH分泌が正常化もしくは低下した患者(いわゆる非活動性先端巨大症)でも身体所見はある程度残るので,GH,IGF-Ⅰの測定は必要
●減少(基準値以下)
[高頻度]下垂体機能低下症,GH分泌不全性低身長症(GH単独欠損症を含む),低栄養(神経性食欲不振症を含む) [可能性]Laron症候群 [対策]①血中IGF-Ⅰの測定は1回の採血でGHの生理的分泌をある程度推測できるので便利.②下垂体機能低下症やGH単独欠損症(GHの完全な単独欠損のこともあるがLH/F
関連リンク
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