基準値 RIA2抗体法による年齢別・性別基準値を表82図に示す.使用する測定法により基準値は多少異なるが大きな差はない
測定法 RIA(2抗体,IRMA),ELISA
検体量 血清0.2mL
日数 3~9日
目的 成長ホルモン(GH)分泌不全症の補助診断と治療の評価
Decision Level
●低値(基準値以下)
[可能性]GH分泌不全性低身長症,成人GH分泌不全症,GH不応症(Laron症候群を含む),低栄養(神経性食欲不振症を含む),多嚢胞性卵巣症候群 [対策]GH基礎値,インスリン負荷試験などGH分泌刺激試験,LH/FSH比などで鑑別
●高値(基準値以上)
[可能性]先端巨大症および下垂体性巨人症,前立腺癌 [対策]「IGF-Ⅰ」の項の「増加」を参照→
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
IGF-Ⅰ(ソマトメジンC),IGF-Ⅱは血中ではIGF結合蛋白(IGFBP)と結合し,IGFBPにはIGFBP-1からIGFBP-10までの10種類が知られている.このうちIGFBP-3が最も多く,IGF-Ⅰ,IGFBP-3,acid labile subunit(ALS)の3つが結合して複合体の形で血中に存在する.機能としてIGFの輸送,IGFの半減期の調節,IGFとその受容体結合への修飾,IGFの組織,細胞特異的な分布,遊離型IGFによる急性血糖調節などがある.
IGFBP-3はGH-IGF-Ⅰ依存性に主に肝臓で合成され,日内変動がみられず,食事や運動などの影響を受けにくいことから,血中IGF-Ⅰ値と同様,GHの生理的分泌の指標とされ,特にGH分泌不全性低身長症診断のスクリーニング,およびGH治療中の効果判定に用いられる.ただし,栄養障害,肝障害,コントロール不良な糖尿病,甲状腺機能低下症など他の原因による血中濃度の低下がありうる.
[感度・特異度]
GH分泌不全症の診断において,IGFBP-3
関連リンク
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- 臨床検査データブック 2023-2024/成長ホルモン〔GH〕 インスリン負荷(低血糖)試験 [保] 1,200点(包)
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- 臨床検査データブック 2023-2024/プロラクチン〔PRL〕 [小][保] 98点
- 臨床検査データブック 2023-2024/インスリン様成長因子-Ⅰ〔IGF-Ⅰ〕《ソマトメジンC》 [保] 212点(包)
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