診療支援
検査

細菌核酸・薬剤耐性遺伝子同時検出   1,700点
simultaneous detection of bacteria nucleic acid and drug resistance gene
後藤 美江子
(北里大学大村智記念研究所感染症学研究室)
田中 孝志
(帝京短期大学講師・ライフケア学科臨床検査専攻)

基準値 陰性


測定法 シグナル増幅-マイクロアレイ法


検体量 血液培養試験陽性結果となった培養液約1mL


日数 血液培養試験陽性判定後,3時間以内


目的 敗血症が疑われる患者の血液培養菌核酸同定・薬剤耐性遺伝子検出


Decision Level

[高頻度]

■血液培養グラム陽性菌・本法陽性

‍ Staphylococcus:分離頻度が高い細菌である.S.aureusは臨床的に重要な菌種であるが,S.aureus陽性の場合はmecA遺伝子検出の結果を確認し,MRSAの判定の参考にする.S.epidermidisなどのコアグラーゼ陰性ブドウ球菌の場合は汚染菌の可能性も考える.StreptococcusS.pyogenesなどの溶連菌は種々の病態を引き起こし,重篤性が高い.S.pneumoniaeは菌本体からの自己融解酵素で菌が死滅しやすいために,培養液陽性後速やかに検査に供試する.EnterococcusE.faecalis, E.faecium陽性の場合はvanA,vanB遺伝子検出の結果を確認し,バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の判定の参考にする.Listeria:グラム染色法で細めの長いグラム陽性菌が検出された場合に本法で陽性となる可能性がある.患者の動物との接触歴の確認などが必要である

■血液培養グラム陰性菌・本法陽性

 グラム陰性桿菌で本法にて検出対象とする細菌は,エンドトキシンショックなど重篤な病態につながる可能性があり,耐性菌が問題になっている.薬剤耐性遺伝子はESBLやMBLなど菌種を越えて陽性となる. [対策]他の菌の検査,従来法による分離培養検査,同定検査,薬剤感受性試験を実施する.そのうえで血液培養液から検出された菌と薬剤耐性遺伝子の結果,患者の病態ならびに院内におけるアンチバイオグラムなどを十分に考慮して,有効かつ適正な抗菌薬を選択する

●本検査の注意点

・本法の

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