診療支援
検査

白血球中細菌核酸検出   130点
detection of bacteria in phagocyte-smears by in situ hybridization
児矢野 早穂
(東京大学医学部附属病院・感染制御部)

基準値 陰性


測定法‍ in situ hybridization(ISH)法


検体量 ヘパリン加末梢血5~10mL


日数 1~2日


目的 敗血症の診断と起炎菌の検出


Decision Level

●陽性

[高頻度]敗血症 [対策]検出された菌に適用する抗菌薬の投与を検討


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 採取した血液中の白血球層をスライドグラスに塗布し,白血球に貪食された細菌のDNAを露出させ,5つの特異的プローブ(Staphylococcus aureusStaphylococcus epidermidisEnterococcus faecalisPseudomonas aeruginosaEscherichia coliEnterobacter cloacaeKlebsiella pneumoniae)を用いて感染症の原因菌を検出する.この方法は抗菌薬投与による培養発育抑制の影響を受けないため,発育しづらい菌を検出でき,血液培養よりも迅速に結果がわかるという利点がある.しかし,白血球数の少ない患者や無顆粒球症患者では検査結果が得られない場合もある.また,培養法ではないため,検出菌の薬剤感受性試験を行うことはできない.特異度は高く,陽性結果が得られれば敗血症の可能性はきわめて高い.


[関連する検査]

 血液,髄液の細菌培養検査.


判読

 光学顕微鏡にて,白血球中に青紫色の発色が1つでも認められた場合,陽性.発色は,菌種や条件によって弱いことがあるため,判定には十分なトレーニングが必要である.


採取保存

 ヘパリン加末梢血を5~10mL採取.採取した血液は,冷蔵・凍結せず,8時間以内に白血球をスライドグラスへ塗布・固定する.


保険注意

 細菌核酸・薬剤耐性遺伝子同時検出,ブドウ球菌メチシリン耐性遺伝子検出または黄色ブドウ球菌ペニシリン結合蛋白2'(PBP2')定性を併せて測定した場合には,

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