基準値 陰性
測定法 in situ hybridization(ISH)法
検体量 ヘパリン加末梢血5~10mL
日数 1~2日
目的 敗血症の診断と起炎菌の検出
Decision Level
●陽性
[高頻度]敗血症 [対策]検出された菌に適用する抗菌薬の投与を検討
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
採取した血液中の白血球層をスライドグラスに塗布し,白血球に貪食された細菌のDNAを露出させ,5つの特異的プローブ(Staphylococcus aureus,Staphylococcus epidermidis,Enterococcus faecalis,Pseudomonas aeruginosa,Escherichia coli,Enterobacter cloacae,Klebsiella pneumoniae)を用いて感染症の原因菌を検出する.この方法は抗菌薬投与による培養発育抑制の影響を受けないため,発育しづらい菌を検出でき,血液培養よりも迅速に結果がわかるという利点がある.しかし,白血球数の少ない患者や無顆粒球症患者では検査結果が得られない場合もある.また,培養法ではないため,検出菌の薬剤感受性試験を行うことはできない.特異度は高く,陽性結果が得られれば敗血症の可能性はきわめて高い.
[関連する検査]
血液,髄液の細菌培養検査.
判読
光学顕微鏡にて,白血球中に青紫色の発色が1つでも認められた場合,陽性.発色は,菌種や条件によって弱いことがあるため,判定には十分なトレーニングが必要である.
採取保存
ヘパリン加末梢血を5~10mL採取.採取した血液は,冷蔵・凍結せず,8時間以内に白血球をスライドグラスへ塗布・固定する.
保険注意
細菌核酸・薬剤耐性遺伝子同時検出,ブドウ球菌メチシリン耐性遺伝子検出または黄色ブドウ球菌ペニシリン結合蛋白2'(PBP2')定性を併せて測定した場合には,
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/グラム染色
- 臨床検査データブック 2023-2024/結核菌群抗原 [保] 291点
- 臨床検査データブック 2023-2024/真菌検査 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/黄色ブドウ球菌ペニシリン結合蛋白2'〔PBP2'〕 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/淋菌遺伝子検査 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/クラミジア類 クラミジア・トラコマチス遺伝子検査 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/大腸菌ベロ毒素(トキシン)遺伝子検査《志賀毒素遺伝子検査〔Stx gene〕,志賀毒素様毒素遺伝子検査〔SLT gene〕,腸管出血性大腸菌遺伝子検査〔EHEC gene〕》
- 臨床検査データブック 2023-2024/CDトキシン〔CD tox A and B〕《クロストリジオイデス(クロストリジウム)・ディフィシレ毒素抗原》 [保] 80点
- 臨床検査データブック 2023-2024/サイトメガロウイルス核酸診断〔CMV-DNA,CMV-mRNA〕
- 臨床検査データブック 2023-2024/エンドトキシン [保] 236点
- 今日の診断指針 第8版/セラチア感染症