基準値 陰性
測定法 市販簡易検出キットがある
●イムノクロマト(IC)法 キャピリア®O157(タウンズ)
●EIA法 ノバパスE. coli O157 EIA(日本バイオ・ラッドラボラトリーズ)
検体量 糞便5g(本検査のみでは,1g以下で可能であるが,その後の検査に必要)
日数 院内検査:5分(IC法)~1時間(EIA法)
目的 腸管出血性大腸菌O157感染症(感染症法では三類感染症)の推定診断
Decision Level
●陽性
[高頻度・可能性]腸管出血性大腸菌O157感染症による出血性大腸炎,急性胃腸炎,溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome;HUS),急性脳症などが疑われる.しかし,大腸菌O157LPS抗原の検出のみで本菌感染症を診断することはできない.ベロ毒素(志賀毒素様毒素)非産生の大腸菌O157(非病原菌),あるいは大腸菌O157と共通抗原を有する細菌(Citrobacter freundii,Escherichia hermannii,Hafnia alveiなど)を排菌している場合,これらの菌が陽性と判定されることも多い. [対策]糞便からの大腸菌O157の分離と分離された大腸菌O157のベロ毒素(志賀毒素様毒素)産生性試験
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
腸管出血性大腸菌O157が腸管内で定着・増殖(感染)している場合,糞便中に排菌される.あるいは,前述のように本菌と共通抗原を有する細菌が腸管内に生息している場合,糞便中に排菌され,それが異常値として現れることもある.
[感度・特異度]
①市販キットの検出感度は,O157菌液で104個/mLであるが,糞便からのO157の直接検出ではその感度は低下し,105~106個/mL程度となる.急性期の患者便で,O157の排菌量の多い場合は検出可能である.②検出感度を考慮すると,陰性であったとして
関連リンク
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