基準値 IgM抗体:陰性
測定法 EIA法
検体量 血清0.2~0.6mL
日数 2~4日
目的 ヒトパルボウイルスB19感染症の診断
Decision Level
●ヒトパルボウイルスB19 IgM:陽性
[高頻度] 小児の伝染性紅斑(リンゴ病), 成人の伝染性紅斑(関節炎や皮疹) [可能性] 溶血性貧血患者における重症貧血発作(aplastic crisis),免疫抑制者および免疫不全者における慢性貧血(赤芽球癆),妊娠早期に母体が初感染した際の胎児感染など [対策]臨床症状があり,ヒトパルボウイルスB19 IgM抗体が陽性であれば,ヒトパルボウイルスB19感染症と判断される.IgM抗体価測定とIgG抗体価測定の併用によって,初感染か以前の既感染かを判断することができる
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ヒトパルボウイルスB19は飛沫および接触感染により伝播する.ウイルスは骨髄の赤芽球前駆細胞に感染して破壊するため,赤血球の産生が低下する.感染後7~10日でウイルス血症となり,発熱・筋肉痛・倦怠感などの感冒様症状を生じる.感染後14~18日頃になると小児では両頬が赤くなり,その1~2日後に肩から腕・太腿にレース状あるいは網目状の発疹が出現する(伝染性紅斑).発疹は7~10日で消退し,予後良好である.成人では不顕性感染が多く,発疹も典型的ではない.関節痛がみられることが多く,持続する場合もある.IgM抗体は発疹出現日頃から陽性になり,約3カ月後に陰性化する.一方,IgG抗体は感染後2週頃から上昇し始め,生涯陽性となる.ウイルスは赤芽球前駆細胞を標的細胞とするため,溶血性貧血患者では一過性に赤血球産生停止となり,その間に重症の貧血発作が起こる.免疫抑制者や免疫不全者では中和抗体ができないため感染が持続し,慢性骨髄不全となる.妊娠早期の母体が初めて感染すると,血液を介して胎児に感染し,流産
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