診療支援
検査

サーファクタントプロテインA〔SP-A〕   130点
surfactant protein A
前川 真人
(浜松医科大学教授・臨床検査医学)

基準値 24.6±9.6ng/mL(カットオフ値:43.8ng/mL)


測定法 ELISA,EIA,CLEIA


検体量 血清0.1mL


日数 3~5日


目的 間質性肺炎の診断


Decision Level

●高値

[高頻度]特発性間質性肺炎71.4%,膠原病関連間質性肺炎,肺胞蛋白症,過敏性肺炎 [可能性]サルコイドーシス,肺結核,びまん性汎細気管支炎,慢性肺気腫,気管支拡張症,塵肺,細菌性肺炎,喫煙者 [対策]原疾患の診断と治療

●低値

[高頻度・可能性]健常者,気管支喘息


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 Ⅱ型肺胞上皮細胞で産生されるリン脂質-蛋白複合体の一種であり,肺胞腔に分泌されることにより肺胞の虚脱を防止する.活動期の間質性肺炎症例の血中で高値を示す.酵素免疫測定法により特発性間質性肺炎,膠原病関連間質性肺炎,肺胞蛋白症では,健常者群に比較して有意に高値であった.

 ①間質性肺炎と非間質性肺炎の鑑別,②間質性肺炎,過敏性肺炎などの急性増悪期,活動性の評価,③予後推定の指標などに有用とされる.

 気管支洗浄液中では血中とは逆相関を示すとされるが,その臨床的意義は確定していない.

 SP-Aハイテスト(EIAに基づく)による羊水中SP-Aは,新生児呼吸促迫症候群(IRDS)の診断に用いられている.


[関連する検査]

①SP-D,シアル化糖鎖抗原KL-6(KL-6)とともにⅡ型肺胞上皮細胞に由来するため,いずれか1つを測定すればよく,また保険適用上も複数項目測定しても1つしか算定されない.②SP-A,SP-Dの上昇時には肺胞蛋白症も考える.③間質性肺炎の診断および重症度判定のために,胸部X線,呼吸機能検査,血液ガス検査を行う.

 CT所見との比較では,KL-6と異なり,すりガラス影として認められる胞隔炎の程度と相関があるという報告が多く,線維化病巣の広がりを表す蜂巣肺の広さとは相関が低い.すりガラス

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