病態
静脈瘤は,下肢表在静脈が怒張,屈曲,蛇行を呈し,瘤状となったもの.静脈血栓症(血栓性静脈炎)は,深部ないし表在性に,原因不明ないし炎症性に静脈血栓を生じて起こる疾患
[参考]
肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン2017年改訂版
下腿潰瘍・下肢静脈瘤診療ガイドライン 2017
異常値
・Dダイマー 基準値以上(静脈血栓症)
・β-トロンボグロブリン(β-TG) 基準値~基準値以上
・脈波計 最大静脈還流量低下
・超音波(静脈エコー,duplex scan) 血栓エコー,静脈非圧縮所見,側副血行路
・造影CT(静脈相) 血栓輪郭造影所見,静脈充填欠損所見
・MRI(MRV) 血栓像
・下肢静脈造影 静脈瘤,血栓による欠損像,途絶像,血栓輪郭造影所見,側副血行路
経過観察のための検査項目とその測定頻度
●超音波(静脈エコー) [急性期]1週ごと [回復期]1カ月ごと
●MRI [回復期]2カ月ごと
診断・経過観察上のポイント
①静脈瘤は女性,経産婦,長時間立位作業者,肥満者に多く,下肢表在静脈の怒張,屈曲,蛇行を呈する.大小伏在静脈の弁機能不全(一次性)によるものが多く,悪化すると色素沈着,湿疹,静脈性潰瘍を起こす.②静脈血栓症(血栓性静脈炎)は,深部と表在性があり,下肢に生じる原因不明の特発性深部静脈血栓症が最も多く,発熱,腫脹,運動痛,圧痛がみられ,慢性期に,二次性静脈瘤,下腿潰瘍をつくることがある.③静脈血栓症が原因で,栓子が肺血管を閉塞すると,急性肺血栓塞栓症をきたす.④静脈エコーは繰り返し簡便に施行できる.血流の情報も得られる.ただし,血流欠損所見は信頼性に乏しい.⑤MRV(MR venography)〔磁気共鳴血管造影(静脈造影)〕は血栓の描出に関して感度・特異度ともによい.⑥採血によるDダイマー測定は深部静脈血栓症の有無の判定に信頼性が高い.⑦病
関連リンク
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- 新臨床内科学 第10版/4 下肢静脈瘤
- 臨床検査データブック 2023-2024/慢性下肢動脈閉塞(LEAD),下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)
- 新臨床内科学 第10版/2 解離性脳動脈瘤
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