診療支援
検査

破傷風(テタヌス)
平井 由児
(東京医科大学八王子医療センター感染症科教授)

病態

 主に土壌に生息する破傷風菌(Clostridium tetani)が皮膚創部より感染し,破傷風菌の産生する毒素(テタノスパスミン,テタノリジン)が運動抑制ニューロンに作用し筋硬直をはじめとした神経症状を引き起こす


[参考]

 医療関係者のためのワクチンガイドライン 追補 破傷風ワクチン,2020


異常値

・創部や痂皮の嫌気培養よりClostridium tetaniを検出(検出できないことがほとんど)

・血清より破傷風毒素を検出(専門機関への依頼)

・クレアチンキナーゼなどの筋原酵素の上昇(筋硬直や痙攣の結果を示す)

 ※検査値での診断は不可能.病歴と身体所見で診断する代表的疾患である.


診断・経過観察上のポイント

①破傷風を疑う曝露歴(例:土壌曝露のある外傷,刺創,裂傷,擦過傷,針で投与する麻薬使用者)を聴取する.②26%は感染部位が特定できず,外傷の有無にかかわらず開口障害(破傷風様顔貌)や嚥下困

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