診療支援
検査

成長ホルモン分泌不全性低身長症
加治 秀介
(兵庫県立大学名誉教授)

病態

 骨端線閉鎖以前の成長ホルモン(GH)分泌不全


[参考]

 間脳下垂体機能障害の診断と治療の手引き(平成30年度改訂),2019


異常値

・インスリン負荷(低血糖)試験 中等症ではGH頂値は6ng/mL以下(重症は3ng/mL以下)〔「インスリン負荷試験」の項を参照〕

・アルギニン負荷試験 血清(漿)GH頂値は中等症では6ng/mL以下(重症は3ng/mL以下)〔「アルギニン負荷試験」の項を参照〕

L-ドーパ負荷試験 血清(漿)GH頂値は中等症では6ng/mL以下(重症は3ng/mL以下)〔「L-ドーパ負荷試験」の項を参照〕

・クロニジン負荷試験 血清(漿)GH頂値は中等症では6ng/mL以下(重症は3ng/mL以下)

・グルカゴン負荷試験 血清(漿)GH頂値は中等症では6ng/mL以下(重症は3ng/mL以下)〔「グルカゴン負荷試験」の項を参照〕

・GHRP-2負荷試験 負荷前および負荷後60分にわたり,15分ごとに測定した血清(漿)GH頂値が中等症では16ng/mL以下(重症は10ng/mL以下)

 上記はいずれもリコンビナントヒトGH標準品で測定した場合.従来法で行っているキット間の補正を必要としない

・血清(漿)IGF-Ⅰ(ソマトメジンC)や血清IGFBP-3値 低値〔「IGF-Ⅰ」の項,「IGFBP-3」の項参照〕

・両手X線像 骨年齢の遅延(暦年齢の80%以下)

・視床下部・下垂体MRI 下垂体低形成,細いか見えない下垂体柄,偽後葉など

・睡眠時GH分泌 入眠後3~4時間の20分ごとに測定した血清(漿)GH平均値が低値


経過観察のための検査項目とその測定頻度

 GH治療中の患者を経過観察対象の中心とする

●身長・体重‍ [慢性期]治療効果判定のため1~3カ月ごと

●IGF-Ⅰ(ソマトメジンC)‍ [慢性期]GH投与治療効果判定のため最初の半年は1カ月ごと,その後は3~6カ月ごと

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