適応
高血圧症(本態性,腎性等),悪性高血圧,心性浮腫(うっ血性心不全),腎性浮腫,肝性浮腫,月経前緊張症
用法
1日2~8mg 分1~2(増減) 但し,高血圧症に用いる場合は少量から開始して徐々に増量.又,悪性高血圧に用いる場合は,他の降圧剤と併用
禁忌
1)無尿(効果が期待できない)
2)急性腎不全
3)体液中のNa,Kが明らかに減少(低Na血症,低K血症等の電解質失調を悪化)
4)過敏症〔サイアザイド系薬剤,その類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルホンアミド誘導体)〕
5)デスモプレシン(男性における夜間多尿による夜間頻尿)投与中
注意
〈基本〉
①利尿効果は急激に現れる為,電解質失調,脱水に注意し,少量から開始して,徐々に増量
②連用する場合,電解質失調が現れるので定期的に検査
③夜間の休息が特に必要な患者には,夜間の排尿を避ける為,午前中に投与が望ましい
➍降圧作用に基づくめまい,ふらつき→運転注意
〈検査〉甲状腺障害のない患者の血清PBIを低下させることがある
患者背景
〈合併・既往〉
①重篤な冠動脈硬化症又は脳動脈硬化症(急激な利尿が現れた場合,急速な血漿量減少,血液濃縮を来し,血栓塞栓症を誘発)
②本人又は両親,兄弟に痛風,糖尿病(高尿酸血症,高血糖症を来し,痛風,血糖値の悪化や顕性化)
③下痢,嘔吐(電解質失調)
④高Ca血症,副甲状腺機能亢進症(血清Caを上昇)
⑤減塩療法時(低Na血症等の電解質失調)
⑥交感神経切除後(降圧作用が増強)
〈腎〉
①急性腎不全:禁忌(腎機能を更に悪化)
②重篤な腎障害(腎機能を更に悪化)
〈肝〉
①進行した肝硬変症(肝性昏睡を誘発)
②肝疾患・肝機能障害(肝機能を更に悪化)
〈妊婦〉妊娠後期は有益のみ(サイアザイド系薬剤では,新生児又は乳児に高ビリルビン血症,血小板減少等.又,利尿効果に基づく血漿量減少,血液濃縮,子宮・胎盤血流量減少) 〈授乳婦〉非推奨(類薬において,ヒトで母