診療支援
治療

安定狭心症
stable angina
高木 厚
(東京女子医科大学講師・循環器内科)

A.疾患・病態の概要

●狭心症は心筋への酸素需要に供給が不足して生じる.冠動脈の器質的な狭窄では,冠動脈造影検査でアメリカ心臓協会(AHA)の分類により狭窄度が75%以上,内腔断面積の狭窄率が60%以上になると心筋虚血を生じる.症状が,①胸骨裏あたりの不快感を,②運動や精神的なストレスで生じ,③安静やニトログリセリン(ニトロペン®)服用により軽快する,の3つの特徴を有すれば典型的な狭心症と考える.これらのうち2つのみを満たせば,非典型的な狭心症の疑いとなる.

●安定狭心症の重症度分類は,発作を生じる閾値によるCanadian Cardiovascular Society(CCS)の狭心症分類が用いられる(表1).冠動脈のトーヌスが亢進する朝にのみ発作を生じる場合は,クラスⅡとなる.また,新規発症でクラスⅢ以上のものが,不安定狭心症に分類される.


B.最初の処置

 病歴から安定狭心症と考えられて

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?