A.概念
●わが国では,感染症法,すなわち「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づいて,感染症患者を取り扱うことが義務づけられている.
●感染症法は,感染症の患者等の人権を尊重しつつ,これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し,感染症に迅速かつ適確に対応するため,従来の伝染病予防法,性病予防法,後天性免疫不全症候群の予防に関する法律を発展的に解消して制定され,平成11(1999)年4月1日から施行されている.
●その後,平成19(2007)年4月の改訂では結核予防法が廃止され,結核が二類感染症に位置づけられた.
●感染症法において,医師等の責務として以下のことが述べられている.医師その他の医療関係者は,感染症の予防に関し国および地方公共団体が講ずる施策に協力し,その予防に寄与するよう努めるとともに,感染症の患者等が置かれている状況を深く認識し,良質かつ適切な医療を行