診療支援
治療

SIRS,敗血症
SIRS and sepsis
嶋津岳士
(大阪大学大学院教授・救急医学)

A.疾患・病態の概要

●SIRS(systemic inflammatory response syndrome,全身性炎症反応症候群)は,米国胸部疾患学会と集中治療医学会が1991年に合同で,敗血症(sepsis)やそれに伴う臓器不全の定義に関するコンセンサス会議を開催した際に提唱された概念である.

●SIRSはもともとsepsisに関係する臨床治験のためのentry criteriaであったが,臨床現場で広く応用され急性疾患の一般的な指標として受け入れられるようになった.

●SIRSの診断基準には体温,脈拍,呼吸数,白血球数の4項目が含まれており,2項目以上で異常を認めたときにSIRSと診断する(表1).SIRSは侵襲に対する生体反応を反映するものであり,SIRSを引き起こすのは感染症だけではなく,外傷,熱傷,膵炎などさまざまな侵襲や炎症がその原因となる.SIRSの診断基準は緩く,容易に2

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