急性中毒に対する初期対応の基本は,primary surveyによるABCDEの評価と救命処置,中毒物質の除去,体内取り込み防止,排泄促進そして拮抗・解毒薬の投与である.ただし,初療時には中毒物質の関与が明らかでない場合もある.関係者からの情報や身体診察などにより内因性疾患として不自然な印象を受ける場合には薬毒物の可能性を常に疑っておく必要がある.
身体診察を開始する前には,患者の臭気,目立った外傷の有無を確認する.異様な臭いを認める場合には,診察室のドアや窓を開放するなどして部屋の換気を良くする.有毒物質の汚染が否定できない状況では,個人防護具を装着するなどして医療スタッフへ二次被害が及ばないように配慮する.
A.primary surveyによる評価と救命処置の実施
primary surveyでは生命の危機に直結する病態をまず抽出し,救命(resuscitation & emerge
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