A.病態の把握
1中毒物質と含有物
エタノール(エチルアルコール)は,分子量;46,分布容積:0.54±0.05L/kgで,酒類をはじめとして様々な飲料の他,工業用品(溶剤,防腐剤,塗料),薬効成分の吸収を促進するために,香水,整髪料,化粧水にも含まれ,また医療用としても殺菌,消毒剤に用いられる.特殊なものとして,ドリンク剤の中にも相当量が含有(例:サモンローヤルゼリー内服液 1.57g/瓶)されている.
2中毒の発生機転
大量の飲酒によるものがほとんどであるが,小児の化粧水などの誤食例もある.
3特殊な病態
特殊なものとして,念頭に置かねば見逃してしまう(長期間のアルコール多飲患者が通常の酒酔い状態とは異なる意識障害をきたした時に考慮する)Wernicke(ウェルニッケ)脳症や離脱症候群がある.
4合併症
アルコール酩酊状態のための,転倒や墜落による外傷事故,交通事故,溺水,低体温症,凍死は多い
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/ブドウ糖《ブドウ糖 ブドウ糖》
- 治療薬マニュアル2024/チアミン塩化物塩酸塩《メタボリン》
- 治療薬マニュアル2024/硫酸マグネシウム《硫酸Mg補正液》
- 治療薬マニュアル2024/リンゲル液《リンゲル液》
- 治療薬マニュアル2024/ドパミン塩酸塩《イノバン》
- 治療薬マニュアル2024/ノルアドレナリン《ノルアドリナリン》
- 治療薬マニュアル2024/炭酸水素ナトリウム《炭酸水素ナトリウム 炭酸水素Na メイロン》
- 治療薬マニュアル2024/ジアゼパム《セルシン ホリゾン》
- 治療薬マニュアル2024/ハロペリドール《セレネース》
- 治療薬マニュアル2024/フェニトイン《アレビアチン ヒダントール》
- 治療薬マニュアル2024/グルコン酸カルシウム水和物《カルチコール》
- 治療薬マニュアル2024/L-アスパラギン酸カリウム《アスパラカリウム アスパラギン酸カリウム》
- 今日の治療指針2024年版/フグ中毒
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/19 アルコール使用障害
- 臨床検査データブック 2023-2024/急性アルコール中毒
- 急性中毒診療レジデントマニュアル 第2版/[36]メタノール
- 新臨床内科学 第10版/アルコール症とアルコール性神経障害
- 新臨床内科学 第10版/(1)エタノール急性中毒
- 新臨床内科学 第10版/3 メタノール,エチレングリコール
- 今日の診断指針 第8版/有機リン・サリン中毒