診療支援
診断

動悸,脈拍異常
palpitation,abnormal pulse
中尾 元基
(北海道大学病院循環器内科 助教)
安斉 俊久
(北海道大学大学院循環病態内科学 教授)

動悸,脈拍異常とは

定義

 動悸とは,通常は自覚しない心臓の拍動を不快と感じる自覚所見であり,心悸亢進とほぼ同義語で用いられる.多くは強い拍動や不規則な拍動,速い拍動として自覚される.脈拍が正常であっても体調や感受性の違いにより,心拍を不快と感じれば動悸である.

 脈拍異常とは検脈や心電図検査などにより他覚的に指摘される脈の異常を指す.

患者の訴え方

 患者は「心臓がドキンとする」「ドキドキする」「心臓が一瞬止まる(つまずく)ようになる」「脈が抜ける」「脈が速くなる」などと訴える.頻脈が長く続く場合には,「息苦しい」「胸苦しい」と訴える場合もあり,狭心症症状や心不全症状と紛らわしい場合もある.

患者が動悸,脈拍異常を訴える頻度

 動悸は外来患者で多く認められる症状の1つであり,プライマリケアにおける患者の主訴の約16%を占めるという報告がある.

症候から原因疾患へ

病態の考え方

 動悸の病態生理は十分に明らか

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