診療支援
診断

関節痛
arthralgia
中村 孝志
(京都大学 名誉教授)
中川 泰彰
(日本バプテスト病院整形外科 主任部長)

関節痛とは

定義

 関節痛とは,関節の痛みをいう.ここでいう関節とは,上肢では,肩,肘,手関節,手指のMP関節〔中手指節関節(metacarpophalangeal joint; MCP)〕など,下肢では,股関節,膝,足関節,足指のMP関節〔中足指節関節(metatarsophalangeal joint; MTP)〕などを指す.

患者の訴え方

 患者は,「肩が痛い」「手がこわばる」「膝が腫れているように思う」などと訴える.ただし,訴えの一部は,関節リウマチなどの重篤な疾患であるとの恐怖観念から生じることもある.局所が痛いのか,痛みの部位が多発しているのか,鈍痛なのか,激痛なのかを把握する必要がある.

患者が関節痛を訴える頻度

 整形外科外来患者のなかでは,関節痛を訴える患者は20〜30%程度であり,関節由来の症状が最も多い印象である.

 関節痛の部位として膝関節が最も多く,その原因の主なものは変形性膝

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