診療支援
診断

感覚障害
sensory disturbance
山下 一也
(島根県立大学 学長)
小林 祥泰
(小林病院 理事長)

感覚障害とは

定義

 感覚とは,外界からの刺激または体内状況の変化を感じ取り,それを認知する働きをいう.感覚には表在感覚として触覚,痛覚,温度覚があり,深部感覚として振動覚,関節位置覚,複合感覚(皮質感覚)として2点識別覚,立体覚がある.感覚神経の上行路は,図1に示すように,温痛覚と触覚・深部感覚では経路が異なる.

 感覚障害とは,これらの経路のいずれかの障害をいう.感覚の種類別により走行経路が異なっているため,温痛覚障害が強く,触覚ないし深部覚障害は軽微あるいはみられない場合がある(解離性感覚障害).

患者の訴え方

 感覚障害は患者の主観によって表現されるので,客観的評価が難しい面がある.

 患者は「しびれ」として感覚障害を表現することが最も多い.「しびれ」の内容について,たとえば「ジンジン」「ピリピリ」「ピリッと走るような」などの具体的な表現を患者から聴取し,記載する.

 与えた刺激を異常と感じる

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