診療支援
治療

51フグ-テトロドトキシン含有魚介類
上條 吉人
(北里大学特任教授・中毒・心身総合救急医学)

最初の10分メモ

含有する生物

・フグ目の魚の多くは,テトロドトキシンを含有しているが,テトロドトキシンの濃度は魚の種類,魚の部位,季節,産地,個体によって大きく異なる.魚の部位では,最も濃度が高いのは肝臓と卵巣である.また,季節では,最も濃度が高いのは産卵期の12~6月である.表1にマフグ科の魚の部位による毒の強さの比較を示す.ちなみに図1に示すのが,あらゆる部位にテトロドトキシンを含有するクサフグである.

・テトロドトキシンは,フグ固有の毒ではなく,ツムギハゼ,ヒョウモンダコなどにも認められる.


診断のポイント

・魚を摂取した患者に,口唇周囲または四肢遠位端の痺れ感,異常感覚を認める.

・残った魚,患者の血清または尿からテトロドトキシンが検出される.特に,尿中には長時間検出されるので,入院後の24時間蓄尿でテトロドトキシンを分析する.


治療のポイント

・進行性の呼吸器症状には速やかに気管挿管および

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