症候を診るポイント
●致死的不整脈を見逃さないことが何よりも重要である.
●動悸は自覚症状であり,意識障害,息切れ,胸痛・背部痛,大量発汗などが併存する場合には緊急性が高いと考えて対応する.
▼定義
動悸とは,自分の脈拍を自分で感じることであり,緊張するときなどに誰でも自覚したことがある生理現象の1つである.患者の訴えとしては,「ドキドキする」「胸が詰まる」など,頻脈の際に感じることが多いと思われる.頻脈であっても,緊張や興奮などの際に自覚するような病気ではない場合もある.
脈拍異常は,頻脈,徐脈を自覚または他覚することであり,脈のリズムが整の場合もあれば不整の場合もある.不整脈を感じるときには「脈が飛ぶ」「脈が乱れる」などと表現されることがある.
成人では100回/分以上が頻脈または頻拍と定義されるが,徐脈や徐拍に関しては50回/分以下,60回/分以下とする意見がある.
▼病態生理
頻脈・徐脈に