診療支援
治療

3 多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫症)
granulomatosis with polyangiitis(GPA),Wegener granulomatosis
須田 隆文
(浜松医科大学教授・内科学第二)

▼定義

‍ 全身性の壊死性血管炎上気道と肺の壊死性肉芽腫半月体形成性糸球体腎炎を呈し,高率にANCAが検出される血管炎症候群である.

▼病態

 細菌由来のスーパー抗原との関連が推定されており,ANCAによって活性化された好中球から産生される活性酸素や蛋白分解酵素などによって血管炎や肉芽腫病変を起こすと考えられている.

▼分類

 肺以外の臓器病変の詳細については別項〔第12章の,第13章の〕を参照されたいが,一般的には,①全身型(上気道・肺・腎),②腎病変を伴わない限局型(上気道病変のみ,肺病変のみ,あるいは上気道病変+肺病変),③腎限局型に分類されている.肺病変には,気道病変,肺実質病変,肺胞出血などがある.気道病変では気管支壁の肥厚,拡張,狭窄などがみられ,肺実質病変では結節や空洞形成を呈する.肺胞出血では毛細血管炎がみられる.

▼疫学

 わが国における患者数は2,430人(2014年)である

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