▼定義
狭心症は冠動脈病変により,心筋の一過性の虚血によって生じる胸部不快感を主症状とし,心電図変化,心筋代謝異常,心機能障害をきたす臨床症候群である.労作性狭心症とは,動脈硬化による冠動脈の器質的狭窄が原因で,労作時に心筋虚血が生じ胸痛発作を起こす狭心症である.
▼病態
労作性狭心症は冠動脈硬化を原因とする.冠動脈硬化巣(プラーク)は脂質の蓄積部,線維性被膜,炎症細胞,増殖した新生内膜からなる(図3-9図).冠動脈硬化を引き起こす背景として冠危険因子(冠リスクファクター)が重要である.高血圧,脂質異常症,糖尿病,喫煙が4大危険因子とされる.これらは介入可能な危険因子であり,生活習慣の改善や,適切な薬剤服用を行うことでコントロールすることができる.一方,介入不能な危険因子としては,性別(男性),加齢,家族歴などがある.
心筋虚血は心筋への動脈血流入の減少により,心筋が必要とする酸素消費量に対
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/アデノシン《アデノスキャン》
- 治療薬マニュアル2024/ドブタミン塩酸塩《ドブトレックス ドブタミン》
- 治療薬マニュアル2024/アスピリン《バイアスピリン》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)アスピリン・ダイアルミネート《バファリン》
- 治療薬マニュアル2024/エゼチミブ《ゼチーア》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)エゼチミブ・アトルバスタチンカルシウム水和物配合剤《アトーゼット》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)エゼチミブ・ロスバスタチンカルシウム配合剤《ロスーゼット》
- 今日の治療指針2024年版/循環器疾患 最近の動向
- 新臨床内科学 第10版/2 冠攣縮性狭心症
- 新臨床内科学 第10版/【1】虚血性心疾患総論
- 新臨床内科学 第10版/【3】急性冠症候群
- 新臨床内科学 第10版/【4】陳旧性心筋梗塞
- 新臨床内科学 第10版/【2】慢性心不全
- 新臨床内科学 第10版/循環器疾患を理解するためのポイント
- 今日の診断指針 第8版/狭心症