診療支援
治療

4 QT延長症候群
long QT syndrome(LQTS)
清水 渉
(日本医科大学大学院大学院教授・循環器内科学)

▼定義

 QT時間の延長とTorsades de Pointes(TdP)を認める疾患である(図3-34).QT延長は,修正QT時間(QTc=QT/$\sqrt{RR}$)が440ミリ秒以上と定義される.

▼分類

先天性LQTS

 多くの場合家族性を認め,安静時からQT時間が延長している場合が多い.臨床的に,常染色体顕性(優性)遺伝形式をとるRomano-Ward(ロマノ-ワード)症候群と,常染色体潜性(劣性)遺伝形式をとり両側性感音性難聴を伴うJervell-Lange-Nielsen(ジャーベル-ランゲ・ニールセン)症候群に分類される.

後天性(二次性)LQTS

 薬剤,電解質異常,徐脈などの誘因が加わった場合にQT時間が著明に延長してTdPを発症し,原因,誘因を除去すればQT時間が正常範囲か境界域まで改善する.しかし,後天性LQTS患者の一部の患者においても,先天性LQTSで報告のある原因

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