疾患を疑うポイント
●小児~高齢者のいずれの年齢でも発症しうる.
●先行して感冒症状があり,安静時の前胸部痛,特に仰臥位で増強,前傾姿勢で軽減するのが特徴的である.
学びのポイント
●心膜の急性炎症によって起こる疾患であり,ウイルス性であると推定されるが,原因ウイルスを特定できないことが多い.
●上気道感染が先行することが多い.
●心電図では冠動脈の灌流域では説明しにくい広範なST上昇を伴うことが多い.心筋逸脱酵素の上昇を認める場合,心筋炎を合併している可能性がある.
●アスピリン薬薬やNSAIDsに反応する例が多いが,コルヒチン薬も初期治療に用いることが推奨されている.再発例では原因の特定が必要である.
▼定義
欧州心臓病学会(ESC)ガイドラインでは次の4項目のうち2項目以上を満たす場合,急性心膜炎と定義する.
●心膜炎性の胸痛(典型的には鋭い痛みで前傾姿勢で改善)
●心膜摩擦音〔表面を擦過する音,軋む音
関連リンク