疾患を疑うポイント
●急性に発熱,頭痛,悪心・嘔吐で発症し,髄膜刺激症候がみられる場合,髄膜炎を疑う.
●髄液検査で単核球優位の細胞数軽度増加,蛋白の軽度増加,糖の正常が認められれば無菌性髄膜炎,なかでも多数を占めるウイルス性髄膜炎を疑う.
学びのポイント
●発熱,頭痛,悪心・嘔吐による急性発症が特徴.
●髄膜刺激症候の診かたを確認する.
●発症初期における病原ウイルスの同定は容易ではなく,無菌性髄膜炎としてウイルス性以外の原因を含めて広く考える.
●脳実質への炎症の広がりが示唆された場合は,脳炎として対処する.
●細菌性の可能性が残る場合は治療機会を逃さず,抗菌薬による経験的治療を併用する.
▼定義
ウイルス性髄膜炎は脳・脊髄の表面を覆う軟膜・くも膜,その両者に囲まれたくも膜下腔に生じたウイルス感染に基づく炎症である.病変が髄膜に限局しているものをいうが,実際には髄膜に接する脳実質に影響を及ぼしている場合
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