診療支援
治療

9 免疫性ニューロパチー
monoclonal gammopathy-associated peripheral neuropathy
芳川 浩男
(日本生命病院・特任副院長)

▼定義

 免疫グロブリン血症を伴う全身性疾患でニューロパチーをきたすものを免疫性ニューロパチーと定義し,Guillain-Barré(ギラン-バレー)症候群などの免疫介在性ニューロパチーとは区別される.

▼病態

‍ 単クローン性免疫グロブリン血症を伴う疾患群であり,多発性骨髄腫(multiple myeloma)などの悪性疾患もあれば,意義の不明な単クローン性免疫グロブリン血症(monoclonal gammopathy of undetermined significance:MGUS)のような良性疾患もある.MGUSのなかには多発性骨髄腫やリンパ腫などに移行し,悪性化するものもある.

▼疫学

 臨床上明らかな多発ニューロパチーを呈するのは,骨破壊性の多発性骨髄腫全体の5%以下である.骨硬化を特徴とする多発性骨髄種は全体のわずか3%にすぎないが,その半数に多発ニューロパチーが合併する.

▼分類

①多発

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