疾患を疑うポイント
●重症度の高い市中肺炎で原因菌が不明な場合には,レジオネラ肺炎の可能性を疑う
学びのポイント
●Legionella pneumophila(うち大部分が血清型1)に代表されるレジオネラによる呼吸器感染症で,菌体を含むエアロゾルを吸入することで経気道感染により発症する.
●臨床像からのレジオネラ肺炎と肺炎球菌肺炎の鑑別は困難なことが多く,肺外の症状や所見の存在,高度な低酸素血症を認める場合はレジオネラ肺炎を疑う.
●最も普及している診断法は尿中抗原検査である.すべての血清型を検出できるキットが登場した.
●レジオネラ肺炎は,診断・治療の遅れが予後不良につながるため,重症度の高い市中肺炎で原因菌が不明な場合には,レジオネラ肺炎の可能性を念頭においた治療を行う.
●レジオネラ肺炎の治療は静注用ニューキノロン系薬が第一選択薬.
▼病態
レジオネラはブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌で,環境中では主