診療支援
治療

12 細菌性赤痢
bacillary dysentery,shigellosis
角田 隆文
(菊名記念病院・総合診療科)

疾患を疑うポイント

●血便による下痢から赤痢と称する.

●ヒト-ヒト感染し,集団赤痢となる.

学びのポイント

●三類感染症.

●ヒト-ヒト感染しやすい.

●初発症状は発熱が主体で,水様下痢が多く,散発例の多くが東南アジアからの輸入例.

▼分類

 原因菌はシゲラ属の4菌種(Shigella dysenteriaeS. flexneriS. boydiiS. sonnei)である.菌種は亜群ともよばれ,それぞれA群,B群,C群,D群に該当する.

▼疫学

 衛生状態の改善とともに,その国における発生は減少し,輸入感染症となっていく.赤痢の特徴は少量の菌で感染し,ヒトからヒトへ感染拡大していくことである.食中毒型の単一曝露でなく,保育園・幼稚園・学校という単位で集団発生する.

 コレラと異なり,国際的なサーベイランスがないため,Rプラスミドなど耐性菌情報が少ない.

▼症状

 細菌性赤痢は通常1~3日の潜伏期の後に,全

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