診療支援
治療

(2)水痘・帯状疱疹ウイルス感染症
varicella-zoster virus(VZV) infection
岡田 賢司
(福岡看護大学教授・基礎・基礎看護部門)

疾患を疑うポイント

●初感染の水痘の皮疹は,小紅斑から始まり,丘疹,水疱,一部膿疱を形成した後,痂皮化する.

●さまざまな皮疹が混在するのが特徴で,体幹に多く四肢に少ない.有髪部にも認められる.

●VZVは初感染後,脊髄後根神経節に潜伏する.宿主の高齢化などでウイルス特異的細胞性免疫が低下すると,再活性化し帯状疱疹を発症する.

●帯状疱疹の皮疹は,神経支配領域に一致した集簇した痛みを伴う小水疱が特徴で,経過は水痘に類似しているが,出現部位が水痘とは異なる.

学びのポイント

●ワクチンで予防できる疾患(vaccine-preventable disease:VPD)の1つで,水痘ワクチン接種率が高くなり,罹患年齢がワクチン未接種の年長児へと変化している.

●VZVの初感染像が水痘,再活性化による病像が帯状疱疹.

●水痘と帯状疱疹では,発症年齢・部位などが異なる.

▼定義

 VZVは,αヘルペスウイルス亜科に分類

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