診療支援
治療

2 鳥インフルエンザ
avian influenza
池松 秀之
(リチェルカクリニカ・代表取締役)

学びのポイント

●鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染して起こる病態でまれ.

●鳥との濃厚接触が主な感染源.

●ヒトからヒトへ感染するウイルスに変異することが懸念されている.

▼定義

 鳥インフルエンザウイルスに感染して起こる病態.一般的に鳥インフルエンザウイルスはヒトに感染が起こることはまれである.病鳥あるいは死亡した鳥との濃厚接触が主な感染経路で,鳥との接触の機会が多い若年者や,生きた家禽(生鮮)市場で感染した鳥へ直接曝露した人に発生すると考えられている.

 鳥インフルエンザウイルスは家禽に対して致死性を示さない低病原性鳥インフルエンザウイルス(LPAIウイルス)と高い致死性を示す高病原性鳥インフルエンザウイルス(HPAIウイルス)に分類されている.

 鳥にはA型インフルエンザウイルスの多くの亜型の感染がみられるが,ヒトへの感染は,H5,H7,H9を有するいくつかの亜型が報告されている.H5N1とH

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