疾患を疑うポイント
●アトピー素因を有したり症状の季節性を伴う慢性咳嗽患者においては咳喘息とアトピー咳嗽を疑う.
●β2刺激薬が咳喘息には有効,アトピー咳嗽では無効であることが鑑別のポイント.
学びのポイント
●咳は患者の受診動機として最も頻度が高い自覚症状であり,長引く咳を訴えて受診する患者が増加している.
●咳喘息は,8週間以上持続し胸部X線や身体所見の異常を伴わない「狭義の」慢性咳嗽の約半数を占める本邦最多の原因疾患.
●「咳だけを症状とする喘息」である本症では,喘息と同様に好酸球性気道炎症やリモデリングが認められ吸入ステロイド薬が奏効する.
●アトピー咳嗽は,頻度は高くないが咳喘息と鑑別を要する類縁疾患.
▼定義
咳喘息は,喘鳴や呼吸困難を伴わない慢性咳嗽,気道過敏性の軽度亢進,気管支拡張薬が有効で定義される喘息の亜型(咳だけを症状とする喘息).
▼病態
➊アレルギーの関与
吸入性抗原への感作(特異