診療支援
治療

閉塞性動脈硬化症
Arteriosclerosis obliterans (ASO)
伊佐治 寿彦
(杏林大学 講師(心臓血管外科))

【疾患概念】

 動脈硬化により慢性的な動脈内腔の狭窄や閉塞をきたし,下肢を主体とした四肢に虚血症状を呈する疾患である.近年より広義な疾患概念である末梢動脈閉塞症(peripheral arterial disease;PAD)の名称を用いる機会が増えたが,これには数%の膠原病や閉塞性血栓血管炎(Buerger病)による四肢虚血も含まれている.

【臨床症状】

 大動脈・腸骨動脈,大腿動脈・膝窩動脈,下腿の3動脈に至る下肢動脈に狭窄や閉塞を認めた場合,さまざまな下肢の虚血症状を呈する.重症度を示すFontaine分類はよく知らており,冷感・しびれ,間欠性跛行,安静時疼痛,潰瘍・壊死などの臨床症状がみられるが,必ずしもこの順に症状が増悪するわけではなく,下腿動脈に病変を有する場合により重症化しやすい.また,動脈閉塞による虚血が側副路により代償され,無症候であることも少なくない.男性,加齢,喫煙に加えて

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