診療支援
診断

発疹(2)皮膚疾患を中心に
Eruption Associated with Skin Disease
山本 俊幸
(福島県立医科大学教授・皮膚科)

 発疹には皮疹と粘膜疹があり,皮膚や粘膜にみられる症状を記載する用語がいくつかある。発疹名は病名と混同しないことが大切であり,例えば湿疹は病名であるので,皮膚に何か症状がみられる場合は,湿疹ではなく皮疹という。

緊急処置

【1】食事や蜂刺されなどによるアナフィラキシーショック:皮膚にじん麻疹を伴うことが多い。

【2】広範囲に紅斑やびらんがみられたり,粘膜疹や発熱を伴う薬疹:入院加療を要する。

【3】気道熱傷やⅢ度熱傷,糖尿病や動脈硬化に伴う肢端壊疽,壊死性筋膜炎など:緊急入院,緊急処置を要する。

診断のチェックポイント

【1】病歴

❶アレルギー素因(アトピー性皮膚炎,花粉症,薬剤アレルギーなど)。

❷全身疾患(膠原病,糖尿病など)。

❸内臓悪性腫瘍。

【2】身体所見

❶紅斑(図1):“斑”とは,ある程度の面積をもった水平方向への広がりである。紅斑が主体の疾患は紅斑症に分類され,多形滲出性紅斑,結節性紅斑,好中

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?