診療支援
診断

やせ
Emaciation
鈴木 眞理
(政策研究大学院大学名誉教授)

診断のチェックポイント

❶やせは非特異的な所見である。

❷重症度が高く罹病期間が長い疾患はやせの原因となるが,これらは体重減少とは関係なく,すでに診断されていることが多い。

❸体重減少が主たる徴候で,診断しにくい原因は悪性腫瘍,うつ病などの精神疾患,薬物の副作用で,悪性腫瘍の鑑別が最も重要である。

定義

❶体重減少(body weight loss)は水分,脂肪,骨格筋など体構成成分が減少することである。

❷60歳台以降は生理的に0.1~0.2kg/年減少する。急性の体重減少は主として水分で,エネルギーの摂取と消費のバランスが負の状態では脂肪や骨格筋がエネルギー源として利用されてやせる。

❸厚生労働省のやせ(emaciation)の基準はBMI<18.5で,一般に標準体重の-20%以上のやせを異常と判断する。標準体重の-20%未満でも,意図なしに6か月で5%以上の体重減少をきたした場合は病的である。

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