[Ⅰ]結節陰影
結節陰影とは,限局性のX線透過性の低い病変を表す用語で,その大きさが30mm以下のものを示すことが多いのに対して30mmを超える病変は腫瘤と表現されることが多い。これは孤立性陰影では,最大径30mm以上の病変では悪性腫瘍の頻度が高いためである。陰影の境界の正常や内部の透過性などはさまざまである。背景病理は多彩であるが,画像診断による鑑別の実際的な主眼は肺癌と良性病変(結節)の鑑別におかれる。
病理背景
悪性腫瘍(原発性肺癌など),良性腫瘍(過誤腫など),感染性疾患(抗酸菌感染症,真菌感染,器質化肺炎など),非感染性炎症性疾患(非感染性肉芽腫,炎症性偽腫瘍など),肺内リンパ節,限局性線維化巣などきわめて多彩である。
画像診断による鑑別ポイント
主に胸部単純X線写真とCTが診断のモダリティとして利用される。現状では,単純X線撮影は,病変の検出や経過観察に用いられることが多く,CTが
関連リンク
- 今日の診断指針 第8版/原発性肺腫瘍
- 今日の診断指針 第8版/転移性肺腫瘍
- 今日の診断指針 第8版/成人T細胞白血病・リンパ腫
- 今日の診断指針 第8版/Hodgkinリンパ腫
- 今日の診断指針 第8版/非Hodgkinリンパ腫
- 今日の救急治療指針 第2版/単純X線撮影
- 新臨床内科学 第10版/(1)喫煙関連間質性肺炎
- 新臨床内科学 第10版/(1)気腫性嚢胞(ブラ,ブレブ)
- 新臨床内科学 第10版/【2】無気肺
- 新臨床内科学 第10版/胸部CT
- 新臨床内科学 第10版/(2)粘液性嚢胞性腫瘍
- 今日の整形外科治療指針 第8版/良性骨腫瘍および腫瘍類似疾患
- 今日の診断指針 第8版/CTからみたびまん性肺疾患の鑑別
- 今日の診断指針 第8版/無気肺
- 今日の診断指針 第8版/じん肺症