診療支援
診断

Tolosa-Hunt症候群
††
Tolosa-Hunt Syndrome
片山 隆行
(旭川医科大学講師・内科学講座循環・呼吸・神経病態内科学)

診断のポイント

【1】一側の眼窩後部の持続性疼痛動眼・滑車・外転神経障害による眼球運動障害三叉神経第1枝領域の感覚障害

【2】造影MRIで増強効果を伴う肉芽腫様病変を伴った海綿静脈洞の拡大。

【3】副腎皮質ステロイドでのすみやかな症状の改善

【4】症状の自然緩解や再発がみられることがある。

症候の診かた

【1】痛み:眼窩後部に持続性の痛みを生じる。症状は通常一側性である。

【2】複視:痛みと同時・または数日遅れて複視が出現する。

【3】神経障害:動眼・滑車・外転神経,三叉神経第1枝の障害を伴う。まれに視神経,顔面神経,三叉神経第2・3枝の障害を伴う。

検査所見とその読みかた

【1】造影MRI:増強効果のある肉芽腫様病変を伴った海綿静脈洞の拡大や,海綿静脈洞壁の異常な突出を認めれば診断的価値がある。

【2】血管造影やMR アンギオグラフィ(MRA):内頸動脈の海綿静脈洞部に限局性の不整狭窄を認めることがあ

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