診断のポイント
【1】症候は非特異的なものが多く(表1図),これらの症状をみた場合,肺血栓塞栓症(PTE)の鑑別を忘れず,疑った場合には検査前臨床的確率を評価する(表2図)。
【2】臨床的確率が高い場合,造影CTにて診断を確定する。
【3】臨床的確率が低・中等度の場合は,Dダイマーを検査し,陰性であれば診断を否定,陽性であれば造影CTなどの画像診断を行う(図1図)。
【4】急性PTEでは,循環動態評価,重症度指数(pulmonary embolism severity index:PESI)評価(表3図)に加え,右室機能障害や心臓バイオマーカーを用いて重症度を分類し,治療法選択(図2図)に結び付ける。
緊急対応の判断基準
循環虚脱あるいは心肺停止の場合には,経皮的心肺補助装置を装着し,より専門的な治療を行える施設への搬送も考慮する。
症候の診かた
特異的症状はないが,危険因子の存在(表4図)とともに症