診療支援
診断

非特異性間質性肺炎
Nonspecific Interstitial Pneumonia(NSIP)
吾妻 安良太
(日本医科大学教授・武蔵小杉病院呼吸器内科)

 本項では特発性NSIPを中心に記述する。

診断のポイント

【1】非喫煙者,女性に多い。

【2】あくまで肺限局性の疾患概念である。

【3】平均年齢52歳(26~73歳と広範囲の年齢)に発症する。

【4】慢性経過の間質性肺炎で特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)に比して予後良好。

【5】拘束性換気障害および画像上で網状影を呈するが,明らかな蜂巣肺は呈さない。

症候の診かた

 乾性咳嗽を呈し,労作時の呼吸困難を伴う。これらは時期が特定できない緩徐な発症をする。

検査所見とその読みかた

【1】身体診察:聴診上,両下肺背部を中心にfine cracklesを聴取する。ばち指を伴うこともある。

【2】血液生化学所見

❶LD高値,ならびに間質性肺疾患で上昇するKL-6,SP-A,SP-Dの高値を認めることが多い。

❷鑑別のために膠原病関連血清項目,感染症関連項目などを適時測定する

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?