診断のポイント
【1】水痘に未罹患である(水痘はほとんどが顕性感染)。
【2】水痘ワクチン2回の接種歴がない。
【3】周囲における水痘の流行がある,あるいは周囲に帯状疱疹の発症者がいる。
【4】新旧さまざまな発疹が混在し,全身に散在する。
【5】水痘ワクチンが定期接種化され,水痘の発症数は減少している。
症候の診かた
【1】ヘルペスウイルス科の水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus:VZV)の初感染像が水痘であり,再活性化像が帯状疱疹である。
❶上気道に感染したVZVは所属リンパ節で増殖したのち,1次ウイルス血症を引き起こし,網内系組織に到達する。そこでさらに増殖して2次ウイルス血症を起こし,全身の皮膚上皮細胞に到達して細胞内で増殖して特徴的な水疱を形成する。
❷その後,特異免疫の獲得とともに水痘は治癒するが,VZVは脊髄後根神経節や三叉神経節に潜伏感染し,免疫能の低下時などに