診療支援
診断

エタノール・メタノール・エチレングリコール中毒
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Ethanol-Methanol-Ethylene Glycol Poisoning
宮内 雅人
(高知大学准教授・災害救急医学)

診断のポイント

【1】アルコール類は身近でありさまざまな用途で使用される。アルコール自体の作用は中枢神経系の抑制が主であるが,代謝産物が毒性の主体である。

【2】服用歴,曝露歴を聴取する。原因不明の意識障害の場合,アルコール類による中毒も診断の選択肢の1つである。

【3】揮発性のため特有の臭気がある。身体所見としてメタノールは少量摂取で視神経異常をきたすことがある。

【4】血液検査では,アルコール自体による血中浸透圧の上昇により,浸透圧較差(osmolarity gap)がみられる。

【5】代謝が進むと,メタノールではギ酸,エチレングリコールではグリコール酸,グリオキシル酸などの代謝産物により,血液ガス分析で,代謝性アシドーシスの進行,アニオンギャップ(anion gap)の開大がみられる。

緊急対応の判断基準

【1】メタノールやエチレングリコールでは代謝産物が代謝性アシドーシスだけでなく,臓器障害を引

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