診療支援
診断

自然毒中毒
Poisoning of Animal and Plant Toxin
廣瀬 保夫
(新潟市民病院・救命救急・循環器病・脳卒中センター長)

 自然毒中毒はほとんどの例で食中毒として発生しており,疑いの段階ですみやかに保健所に届け出る。原因物質の確保,患者の血液,尿を保存することは確定診断のために重要である。ここでは重症化しやすく臨床的に重要なフグ,トリカブト,毒キノコによる中毒について述べる。

[Ⅰ]フグ中毒

診断のポイント

【1】フグの摂取歴を確認する。釣ったフグを素人調理で食べている例が多いが,飲食店で提供されたフグによる中毒も発生している。

【2】フグの可能性がある魚を摂取後,口唇や手足のしびれ感や麻痺症状が現れた場合は,本中毒を疑う。

症候の診かた

 フグ中毒の重症度分類を表1に示す。テトロドトキシンの摂取量が多ければ症状は急速に進展し,かつ重症化する。

検査所見とその読みかた

 特異的な検査値異常はない。

確定診断の決め手

【1】患者の血液,尿,あるいは摂取した魚からテトロドトキシンを検出すれば確定診断となる。

【2】診療現場では,摂取

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