治療のポイント
・治療方針は大きく全身型JIA(sJIA)と関節型JIA(pJIA)に分けて考える.
・関節の診察手技および関節超音波などの画像検査は必須である.
・注意すべき合併症に,sJIAのマクロファージ活性化症候群(MAS:macrophage activation syndrome)とpJIAのぶどう膜炎がある.
・初期治療の目標は,すみやかな臨床的寛解の達成である.
●病態
・JIAは「16歳未満で発症し,6週間以上持続する原因不明の関節炎で,ほかの病因によるものを除外したもの」と定義され,除外すべき疾患には,ほかのリウマチ性疾患,反応性関節炎,自己炎症性疾患,炎症性腸疾患,結合組織病,感染症,悪性腫瘍,薬剤熱などがある.
・病態からみると,関節リウマチや成人発症スチル病に類似の疾患と脊椎関節炎の一部,小児に特徴的な少関節炎がJIAに含まれる.
・国際リウマチ学会(ILAR:International Leagues of Associations for Rheumatology)による分類基準では,①全身型,②少関節炎,③リウマトイド因子(RF)陰性多関節炎,④RF陽性多関節炎,⑤乾癬性関節炎,⑥付着部炎関連関節炎,⑦未分類関節炎の7つの発症型に分けられる.
・sJIAの経過中に合併するMASには分類基準があり,フェリチン高値(>684ng/mL)に加え,以下の項目のうち2つ以上を認めれば満たす.
a)血小板減少(≦18.1万/μL)
b)ALT高値(>48U/L)
c)中性脂肪高値(>156mg/dL)
d)低フィブリノゲン血症(≦360mg/dL)
・ぶどう膜炎を評価するため定期的な眼科診察を受ける.
●治療方針
治療開始後は,すみやかな臨床的寛解の達成を目指す.臨床的寛解とは治療の有無を問わず,以下のすべての基準を満たすことである.
a)症状を認めない(活動性関節炎,発熱,
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