●病態
・A群β溶血性レンサ球菌(GAS:group A streptococcus)感染で惹起される自己免疫疾患.
・GAS感染から2~4週後に発症.
・主に関節,心臓,中枢神経,皮膚,皮下組織が標的臓器となる.
・リウマチ熱(RF)では特に心炎が特徴的となる.
・診断は2015年に米国心臓学会によって改訂されたJonesの診断基準が用いられる(GAS感染の証明+主症状,副症状).
●治療方針
RFの基本治療にはa)~c)の3つの柱がある.a)b)は並行して行われる.
a)原因の除去:GASに対する抗菌薬治療
b)障害臓器に対する炎症の制御:抗炎症治療
c)再発の予防:予防的抗菌薬治療
A.抗菌薬治療
診断時にGASの証明ができない場合や,咽頭炎の所見がない場合でも投薬する.
1.第1選択薬
ペニシリン系薬剤が第1選択.
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
2.ペニシリンアレルギーがある場合
マクロライドまたはクリンダマイシンを選択する.GASのマクロライド耐性株に注意が必要.
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
B.抗炎症治療
心炎の有無により治療を選択する.
1.心炎あり
心炎に対しては一般的にはステロイドを使用する.経口で投与を開始し2~3週間継続する.その後,心炎および全身の炎症所見が改善していれば2~3か月でステロイドを漸減中止する.
Px処方例
➊プレドニゾロン薬散 1回0.35~0.65mg(成分量として) 1日3回(最大1日60~80mg)
経口ステロイドに反応不
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