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[感]4類
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●病態
・ネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介されるデングウイルスによって起こる熱性疾患で,ウイルスはフラビウイルス科に属し,4種の血清型(1~4型)が存在する.
・同じ血清型のウイルスに対しては終生免疫を獲得するが,交差免疫は成立しない.異なる血清型のデングウイルスに再感染した際に重症化しやすい.
・主に熱帯・亜熱帯地域で発生し,わが国での患者届出例は2014年に発生した162例の国内感染例以外はほとんど輸入感染例であり,2015年以降は年間300例前後で推移している.
・3~14日(多くは4~7日)間の潜伏期間ののち突然の発熱で発症し,頭痛,眼窩痛,筋肉痛,関節痛を伴う.発熱後3~4日目頃に解熱傾向となるが,再び高熱となり約1週間後に解熱する(二峰性発熱).発熱後半に胸部・体幹から非特異的な発疹が出現し,四肢・顔面に広がる.これらの急性症状は1週間ほどで軽快する.
・一部の重度な出血傾向,血漿漏出傾向,臓器不全傾向を示す症例を「重症デング熱」とよぶ.このうち血小板減少による出血傾向や血管透過性亢進による血漿漏出傾向を伴う症例をデング出血熱,ショック症状を伴う症例をデングショック症候群とよぶ.
●治療方針
デング熱に対する特異的な抗ウイルス薬はない.補液を確実に行うことと対症療法が主となる.解熱鎮痛にはアセトアミノフェンを用いる.アスピリンなど抗血小板作用のある解熱鎮痛薬の投与はデング熱を疑った時点で避ける.早い段階でデング熱を認識し,重症化の徴候がないか臨床経過を注意深く観察する.
重症デング熱に対しては,血漿漏出に伴う循環血液量減少,血液濃縮に対して輸液を行う.補液に際してはバイタルサインのほか,ヘマトクリ
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